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木が大きくなるのは、どうしてでしょう。
それは、1まい1まいの葉の光合成(こうごうせい)があるからです。
光合成は太陽の光のエネルギーを利用して、二酸化炭素と水から炭水化物(たんすいかぶつ)を作り、酸素を放出(ほうしゅつ)しています。
木は、この炭水化物を利用して大きくなっていきます。
1まい1まいの葉の集まりを「樹冠(じゅかん)」といいます。
樹冠が大きい木ではたくさんの炭水化物を作っています。

では、木はどれだけの酸素を放出して、二酸化炭素を吸収(きゅうしゅう)しているのでしょうか。
しらべてみましょう。
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基本1 日本では、樹冠(じゅかん)の面積1m2の木で、 |

近くの公園や学校に行ってみましょう。
おそらく、そこにはいくつか木が植えられているかと思います。
それらの木は、一体どれくらいの酸素を出し、二酸化炭素を吸収しているのでしょうか。

メジャーと筆記用具 を用意してください!
木にはいろいろな大きさがあります。
木を上から見ると、このようになっています。


横から見ると、こんな感じです。
樹冠って、どうあらわすのでしょうか。
樹冠の面積とは、枝がはって葉が広がっているところの面積をいいます。
その部分を測ることで、酸素放出量と二酸化炭素固定量を計算します。
まず、木の枝や葉がどこまで広がっているかを調べます。
木の下に立ちましょう。
そして木を見上げて葉の広がりを見てください。
葉や枝が広がっている、一番はしの部分に移動して、その位置を地面にしるします。
しるしを付けるものは、杭(くい)やテープなど、何でも良いです。
葉の広がり具合が分かったら、次は、その広がりはどれぐらいの大きさの円なのかを調べます。
適当な所を@として、木のはしからはしまでの長さを測ります。
この@は、葉の広がりの中のどこでもかまいません。
@の長さを測り終えたら、次に@と直角に交わる線Aの長さをはかります。
そして、さらにB、Cの長さも測ります。
BやCは、@とAの中間の所の長さです。

@からCまでの長さを測り終えたら、これらの値の平均値を計算します。
例えば、ある木が@4.3m、A3.8m、B4.0m、C3.9m であったとすると、平均値は(4.3+3.8+4.0+3.9)÷4=4.0m
となります。

ということは、この木はだいたい直径が4mの円の形をしているということです。
この場合の円の面積は、
半径×半径×円周率(3.14…)=円の面積
で求められますので、この木の場合は
4/2×4/2×3.14=12.56m2
樹冠の面積は約12.6m2となります。
先ほど、樹冠の面積1m2の木では、1年間に約1.4kgの酸素を出しているという話をしましたね。
この場合は、樹冠の面積は約12.6m2ですので、1年間に
1.4kg×12.6m2=17.64kg
約17.6kgの酸素を出していることになります。
二酸化炭素の場合も同じように計算します。
樹冠の面積1m2の木では、1年間に約1.8kgの二酸化炭素が吸収されています。
この場合は、樹冠の面積は約12.6m2ですので、1年間に
1.8kg×12.6m2=22.68kg
約22.7kgの二酸化炭素を吸収していることになります。

さて、ここで 計算しよう! で計算したことを思い出してください。
計算しよう! では、私たちが1日にどれだけ酸素を吸い、二酸化炭素を出すか、計算しましたよね。
たとえば、体重30キロの小学生の場合、1日で約254リットルの酸素を必要としています。
そして約396リットルの二酸化炭素を出しています。
では、今調べた木は、何人分の酸素を出しているでしょうか。
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基本2 酸素 1kg=700リットル |

はかってみよう!1でしらべた樹冠の面積の半径が約2mの木は、1年間に約17.6kgの酸素を出していましたね。
ですから、重さ17.6kgの酸素を体積にしてあらわすと、
17.6×700=12320リットル
となります。
さて、樹冠の面積の半径が2mの木は、1年に12320リットルの酸素を出すということがわかりました。
体重30kgの小学生は1日に254リットルの酸素を必要としています。
1年だと、
254リットル×365日=92710リットル
となります。
12320リットル÷92710リットル=0.1328…
土地の半径2mの木は、1年間におよそ0.13人分の酸素を出しています。
少ないですね。
では、同じように、二酸化炭素についても計算してみましょう。
計算しよう!3 で計算したことを思い出してください。
たとえば、体重30kgの小学生の場合、1日で約396リットルの二酸化炭素を出しています。
では、今調べた木は、何人分の二酸化炭素を吸収しているでしょうか。
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基本3 二酸化炭素 1kg=509リットル |

たとえば、はかってみよう!1でしらべた樹冠の面積の半径が2mの木は、1年間に約22.7kgの二酸化炭素を吸収していましたね。
ですから、重さ22.7kgの二酸化炭素を体積にしてあらわすと、
22.7×509=11554.3リットル
約11554リットルとなります。
さて、樹冠の面積の半径が2mの木は、1年に約11554リットルの二酸化炭素を吸収するということがわかりました。
体重30kgの小学生は1日に396リットルの二酸化炭素を出しています。
1年だと、
396リットル×365日=144540リットル
となります。
11554リットル÷144540リットル=0.0799…
樹冠の面積の半径が2mの木は、1年間におよそ0.08人分の二酸化炭素を吸収しています。
私たちは呼吸で酸素をすって二酸化炭素をはいています。
私たちが1年間に呼吸で必要とする酸素を木でまかなうには、木何本が必要でしょうか。

たとえば、はかってみよう!1でしらべた、樹冠の面積の半径が2mの木は、1年間に約12320リットルの酸素を出してくれます。
そして、体重30kgの小学生は1日に約254リットルの酸素を必要としています(計算しよう!2)。
つまり、1年で
254リットル×365日=92710リットル
の酸素を必要とするということです。
ですから、体重30kgの小学生が1年間に必要とする酸素をまかなうには、
92710リットル÷12320リットル=7.525…
樹冠の面積の半径が2mの木が、約7.53本必要になります。
私たちは呼吸で酸素をすって二酸化炭素をはいています。
私たちが1年間に呼吸で出す二酸化炭素を木に吸収してもらうには、木何本が必要でしょうか。
たとえば、はかってみよう!1でしらべた、樹冠の面積の半径が2mの木は、1年間に約11554リットルの二酸化炭素を固定してくれます。
そして、体重30kgの小学生は1日に約396リットルの二酸化炭素を出します(計算しよう!3)。
つまり、1年で
396リットル×365日=144540リットル
の二酸化炭素を出しているということです。
ですから、体重30kgの小学生が1年間に必要とする酸素をまかなうには、
144540リットル÷11554リットル=12.509…
土地の半径2mの木、約12.5本が必要になります。
私たちが呼吸をする分をまかなうだけでも、たくさんの木、広い森が必要です。
でも、私たちは森についてどれだけのことを知っているでしょうか。
もし森がなくなったら、どうなるのでしょうか。