
はじめに 酸素と二酸化炭素と森について、地球規模で考えてみよう
計算しよう!2の計算でも分かるように、部屋の中を見てみるだけでも、酸素はじゅうぶんにあることがわかります。
「森は二酸化炭素をすいこんで、酸素を出してくれる。だから大切だ」
とよく言われますが、もし地球上の木が全部なくなってしまったとしても、私たちが酸素不足で死ぬことはありません。
木に酸素をふやしてもらわなくても、空気中に酸素はもうじゅうぶんあるからです。
でも、二酸化炭素が空気中にふえることは問題です。
計算しよう!3で、呼吸によってどれだけの二酸化炭素が出されているか計算しましたね。
今、空気中の二酸化炭素はどんどんふえています。
でも、人間の呼吸が大きな原因ではありません。
私たちは、ふだん、つい電気をむだ使いしてエアコンをつけっぱなしにしてしまいます。
近くに行くのにもすぐ車を使ったりします。
このように、べんりでゆうふくな生活を求めることが、二酸化炭素を大量に出しているもっとも大きな原因となっているのです。
テレビや冷蔵庫(れいぞうこ)を使うことが直接(ちょくせつ)二酸化炭素を出すわけではありません。
ですが、電気を供給(きょうきゅう)している発電所(はつでんしょ)で、石油や天然ガスなどを燃(も)やすことによって、二酸化炭素が出されます。
私たちがふだんの生活で大量のエネルギーを使うことで、空気中に二酸化炭素が出るのです。
原因は、私たちひとりひとりの小さな行動にあるのです。
もし、地球ぜんたいで二酸化炭素がふえると、どうなるでしょう。
ここで心配になるのが、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)です。
(地球の大気について、くわしく知りたい人はこちらを見てください)
最近、「空気中の二酸化炭素がふえたため、地球温暖化が起こっている」という話を聞いたことがないでしょうか。
地球の気温は、1861年から上がってきています。
20世紀中に0.6度ほど上がりました。
(地球温暖化についてくわしく知りたい人はこちらを見てください)
18世紀後半に産業革命が起こり、世界中で産業のしくみが大きく変わりました。
それによって、二酸化炭素が急にふえ、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)が大きな問題になってきたのです。
(産業革命や、二酸化炭素がふえたの原因をくわしく知りたい人はこちらを見てください)
でも、温暖化がおこると何が問題なの?そう思った人もいるでしょう。
寒い冬をあたたかくすごせるなら、それでいいじゃない?と。
でも、それだけではすまないのです。

地球温暖化が起こると、それによって異常気象(いじょうきしょう)が起こったり、南極大陸やグリーンランドにある氷がとけて海面が上がったり、生態系(せいたいけい)が変化(へんか)したりと、さまざまな問題がおこるのです。
(地球温暖化のえいきょうについてくわしく知りたい人はこちらを見てください)

地球温暖化をふせぐには、どうすれば良いでしょうか。
防ぐには、原因となる、「温室効果ガス(おんしつこうかガス)」を出さないようにすることが大切です。
温室効果ガスとは、石油やガス、石炭などの化石燃料(かせきねんりょう)をもやしたり、セメントを作ったり、森林を燃やした時に出る二酸化炭素やメタンなどのことです。
日本で出している温室効果ガスの90%以上が、二酸化炭素です。
ですから、地球温暖化を防ぐには、二酸化炭素を出さないようにすることが大切なのです。
ここまでで、「二酸化炭素が増えても、木に吸収してもらえばいいのに」と思った人がいるのではないでしょうか?

確かに、はかってみよう!で調べたように、木は、大量の二酸化炭素を吸収(きゅうしゅう)して固定(こてい)しています。
でも、ちょっと待ってください。
今、日本で1年間に出している二酸化炭素の量は、木が1年間に吸収できる二酸化炭素の量より、ずっと多いのです。
日本が1年間に出す二酸化炭素の量は、約6.066億(おく)トンです。
そして、日本の森林の面積は約2400万ヘクタール。
その二酸化炭素固定量は、4.32億トン。
たんじゅんに考えても、1年に1.746億トンの二酸化炭素が固定されずに増えていくことになります。
ですから、出した二酸化炭素のすべてを木に吸収してもらう、というのはむりです。
「それなら、木をもっとたくさん植(う)えればいい」
そう思った人、ざんねんでした。
日本では、森は国全体の面積の約64%にもなります。
日本で二酸化炭素を1年間に出す量のすべてを森林に吸収してもらおうと考えた場合、森林として必要な面積は約3370万ヘクタール。
日本の国土面積が約3750万ヘクタールですから、
3750万ヘクタール−3370万ヘクタール=380万ヘクタール
となります。
この380万ヘクタールの土地に、私たち人間が生活することができるでしょうか。
日本の人口は約12769万人です(平成15年10月1日概算値 総務省統計局)。
この全員が380万ヘクタールの土地で生活するということは、
1ヘクタール(100メートル×100メートル)の土地に、約34人が住まなければならない、
ということです。
おそらく、そんなことはできないでしょう。
だから、日本の国土のあいている土地すべてに木を植えても、今の日本が1年間に出す二酸化炭素のすべてを木に吸収させることはできません。
私たちは、二酸化炭素を木に吸収してもらおうとするのではなく、二酸化炭素を出さないように努力をしなければなりません。
そして、その上で、森をうまく利用することが大切なのです。
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